植草一秀氏被告事件控訴審第1回公判傍聴記
植草一秀氏の条例違反被告事件の控訴審第1回公判が2008年3月
弁護団は控訴趣意についてプロジェクター・スクリーンを用いて説明
しかし、裁判所は弁護側が申請した証拠調べ請求をことごとく却下し
植草氏の事件処理は『国策裁判』に他ならない。中東の笛によるハンドボール試合など比較にもならな
政治権力に支配されたマスメディアは植草一秀氏の無実を示す情報を
弁護団による控訴趣意の説明は以下の順序でなされた。
はじめに
1.被害者供述の信用性
2.証人T供述の信用性
3.証人K供述と被害者供述、証人T供述との矛盾・不一致
4.青木警官供述の信用性
5.弁護側目撃証人供述の信用性
6.繊維鑑定結果からの合理的疑問
7.被告人供述の信用性
8.結論
はじめに
本件は、大学院教授の被告人が痴漢の嫌疑を受けた事件であり
過去の事件では、被告人は、手鏡を手にしていなかったにも拘わらず
裁判所は、このような過去の事件により間違って形成された予断や偏
このような問題を含む原判決について控訴の理由を述べる。
1.被害者供述の信用性
被害者は、痴漢犯人が背中に密着している状態で、犯人を注意するた
この時被害者のお尻の右側を撫で回していた犯人は
写真は弁護人らが行った再現実験の映像の画面です
被害者が犯人の手を掴んだまま振り返って、対面したというのであれ
この画面は被害者が振り返り終わった様子を写したものです。
被害者が右回りに振り返り終わった時点で、既に真犯人は人と人との
一方その時点で、被害者のすぐ近くに立っていたのが被告人であり
以上の犯人、被害者、被告人の動きを図で示すとこのようになります
ここでは被害者が振り返るという回転動作をしている点が重要です。
被害者は、ほぼ真後ろ近くまで振り返って被告人と対面したという趣
しかし実際に被告人が立っていた位置は、被害者の真後ろではなく
したがって被害者は、実際には被告人が立っていた位置の方向位まで
これを動画で見てみましょう。
被害者は、犯人が真後ろに密着して痴漢をしていて
被害者供述の信用性を認めた原判決には、誤りがあります。
2.証人T供述の信用性
次に目撃者である証人Tの供述の信用性について述べます。
証人Tは、この図に示した位置のつり革に捉まっていたと公判廷で証言しています。
そして証人Tのネクタイの結び目から約77p前方の位置に被害者の左肩があった
1審判決もこの証人Tの供述を前提にして被害者が証人Tから約77センチ離れていたと認定しています。
しかしこの供述のとおりだとすると、被害者は車両の真ん中ではなく
1審判決は、図の点線で囲んだ位置に被害者が立っていたと認定して
証人Tが捉まっていた吊革ははっきりしていますが、立っていた位置ははっ
証人Tの位置が、もっと下だった場合を想定しても、被害者の位置が進行方
そして証人Tの立っていた位置がこれ以上下だったら、この吊革に捉まることはも
これは証人Tが立ち会って、平成18年9月15日に作成された再現報告書の写真
この写真によると、証人Tと被害者役のマネキンは大きく離れています。証人Tの身長が183センチメートルあることからすると、証人Tから被害者の左肩まで約77センチメートル離れていてもおかしくは
証人T、被害者、証人Tと被害者の間に立っている女性客、この3人の位置関係を見ると
事件が起きたのは9月13日の夜で、この再現は9月15日ですから
こんながらがらの車内で痴漢が起きたというのは、被害者や証人Kの供述にも反していて、証人Tが実際にこのような状況を見たというのは信じられないことです。
証人Tの公判供述は、この再現にほぼ合致しているので、証人Tは自分の実際の体験した記憶に基づいて供述しているのではなく
この写真も先ほどの再現のときの写真です。
証人Tは、公判廷において、犯人の男が被害者の後ろに密着して、
しかし被害者の頭と、後ろの男の頭は、「頭は離れているというイメージを
しかしこの写真のように犯人の男が被害者の後ろに密着して
証人Tは「体だけ密着して、頭は離れているということなのですか。
しかしこの再現でも、犯人役の警察官は写真のとおり被害者役のマネ
証人Tだけが183pと頭一つ抜け出ています。
したがって証人Tが犯人であれば、身長差があるため被害者と頭が接近しないと思われ
証人Tがこのような供述をしたのは、頭の中でだけ犯人が被害者の後ろに密
これも証人Tの供述の信用性に疑問を投げかけます。
先ほどの証人Tの再現は9月15日に行われたことになっています。
ここでもう一つの重要な問題は証人Tが再現の行われた9月15日(金曜日)ではなく、9月16日
証人Tの証人尋問が行われた段階で、この9月15日の再現報告書は
これは、この9月15日に再現を行ったことを隠していたと疑われて
これは証人Tが、事件目撃後、9月13日の午後10時37分に友人に見たこと感
証人Tの初期供述はこのメールです。このように他の人の供述や様々な情報
ここで証人Tは次のように供述しています。
「今電車の中で痴漢が起こった。俺はほぼ確信できるような状況を目
情けないよ自分が。何回か、女の子が前にいる俺の方を見たんだ。助けを求めるサインだったのに、そうじゃないかと思っていたのに
ここで証人Tは、被害者の女性の前に自分がいたということと、被害者の女性が何回か自分の方を見たということを供
しかしこれは、被害者女性の左横に証人Tが立っていて、被害者が何回か左横を振り向いたという証人Tの公判供述や先ほどの再現報告書とは全く異なっています。
この初期供述が正しいとすれば、証人Tの公判廷での説明は完全に間違っていることになります。
次に証人Tは犯人の男について、「眼鏡についてかけていたかどうか覚えていません」と供述しています。
一方被告人は、事件当時眼鏡を掛けていて、その眼鏡はセルロイドの
証人Tは、犯人の顔について、「少しうつろな目をして、ボーッとしていたよ
証人Tが被告人の横顔を見ていればメガネが記憶に残るはずです。
しかし証人Tはメガネについて記憶していません。
したがって証人Tが見た犯人はメガネをかけていない別の男だったと考えられるのです
この問題について1審判決は、被害者が振り返って注意した後も
しかし証人Tは、被害者に密着していた犯人が2、3歩後退して
このように真犯人が右側の方を向いた後は証人Tから犯人の顔は見えなくなります。
では証人Tから被告人の顔は見えたでしょうか。
このように被害者が振り返った後,被告人も右の方を向いたので
つまり証人Tが犯人又は被告人の顔がよく見えた場面というのは
そして被告人が犯人であれば,証人Tは被告人の眼鏡に気付いていたはずなのです。
次に証人Tは、犯人の左手が、被害者の左のお尻の側面を触っているのを見たと
しかし一方で、男性が傘を左手首に掛けていたことには
被告人は左手に傘を持っていたので、被告人が犯人であれば証人Tが被告人の左手に掛かっている傘に気付かないはずはありません。
そして被害者が振り返った後、証人Tから、被告人の傘が見えるかですが、
先ほどと同じように傘も見えなくなります。
また傘の位置は低いので、犯行時以外では被害者などの乗客に遮られ
犯行時、証人Tから傘はよく見える位置にありますから、被告人が犯人であれば、左手首に掛っている傘に証人Tが気付かないはずがありません。犯人は左手首に傘を掛けていなかった被告人とは別の人物としか考え
被告人は、事件当時、肩に大きな重いカバンを掛けていました
しかしながら証人Tは、痴漢行為をしている際の犯人の姿勢について「重心が右に傾いて
そして犯人の右肩は見えていたけれども、右肩にカバンを掛けていた
しかし第1に、証人Tは右肩が見えていたと述べているのですから、被告人が犯人であれば
そして第2に、右肩に重いカバンを掛けていたとすると
それでは右に傾いた姿勢でカバンをかけているとどうなるでしょうか
このようにカバンがずり落ちるか,重心が取れなくて
証人Tが目撃したのは,右肩からカバンを掛けていない被告人とは別の人物
証人Tの供述には被害者との距離、電車の混み具合、犯人の姿勢、証人Tが立っていた位置など、幾つかの根本的な疑問があります。
証人Tが犯人を目撃していたとすると、眼鏡の点、傘の点
証人Tの犯人識別供述の信用性はきわめて低いと言えます。
(補注1) 3月17日の公判廷では触れられなかったが、弁護団によると、平成18年9月16日付の証人Tの警察官に対する供述調書には、被害者の女性と目が合ったが声をかけることができなかった理
3.証人K供述と、被害者供述、証人T供述との矛盾・不一致
証人Kは、被害者が「やめてください」と言って振り返ったとき、
被告人は被害者のすぐ右後ろに立っていた、
被告人は被害者のすぐ後ろにおり、その間に、もう1人、だれか入ることは押しのけない限りは、あり得ない
被告人の足の移動はあって半歩か一歩くらいしか動く余地はなかった
という供述をしています。
これに対して、被害者は、
痴漢犯人は、被害者の背後に密着し、被害者の左右の腰の下あたりの
被害者が右回りに振り返ったときに、犯人が後退した、
という供述をしています。
しかし、これは密着していたはずだと思い込んでいた被告人が離れて
また、証人Tは
被害者の背後で犯人が同方向を向いて密着し痴漢行為をしていた、
被害者が振り向いたとき、一、二歩後退し、進行方向右側のドアの方
という供述をしています。
証人Tは、被害者が振り向いた直後に真犯人が後退したのを確認したのに
証人Kの目撃状況をスライドで示すとこのようになります。
原判決は、証人Tは犯人が後退した位置について具体的に図で示しているものではない
しかし、この写真は、証人Tが警察での再現見分をしたときの写真ですが、犯人が被害者から二歩
証人Kの供述を合理的に解釈すれば、
被告人は、もともと「やめてください。」という言葉の前から
被告人は「やめてください。」という言葉に反応して
これは、基本的に被告人供述と符合しているばかりではなく、被告人が
4. 青木警官供述の信用性
次に青木供述の信用性について述べます。
そもそも公判廷で否認している被告人の捜査段階における警察官に対する自白
被告人は、事件直後に作成された弁解録取書では明確に否認しているのに、青木に対しては、「電車の中で、女性に不快感を与え
しかも、どの言葉をも記載した青木のメモが存在しないことや、
弁解録取の際に青木はすぐ側にいたのに、その際、被告人に対して
青木供述には全く信用性はありません。
5.弁護側目撃証人供述の信用性
原判決は、弁護側の目撃証人の供述には信用性がなく
しかし、原審がそのような疑問を抱いたのは、十分に審理を尽くさず
まず、原判決は、弁護側の目撃証人が、「大森海岸駅を過ぎたあたり
しかし、弁護側の目撃証人はそのような供述をしていません。青物横丁駅を過ぎた辺りから、座席に座ったまま
また、大森海岸駅を通過したときの状況について、弁護側の目撃証人
したがって、おのずと時間的な前後関係は明らかになります。
青物横丁駅を通過した頃からうとうとしていた弁護側の目撃証人は
そのうえで、大森海岸駅を過ぎたあたりで、「騒ぎ
弁護側の目撃証人が平成19年4月20日に作成したファックスには
つまり、弁護側の目撃証人が、大森海岸駅を過ぎたあたりで起きたと
原判決には、大森海岸駅を過ぎたあたりで証人Kが動き出す気配があったなどと弁護側の目撃証人が供述したかのよう
次に、弁護側の目撃証人が被害者の「子供がいるのに」などとする言葉を聞
まず、被害者が抗議を始めた頃、弁護側の目撃証人は座席にすわったまま目をつぶりうとうととしていて
また、被害者の抗議はそれほど大きな声ではありませんでした。
このとき被害者の抗議に気付いたという証人Kは、被害者の抗議の声が、「それほど大きな声で、びっくりするよう
また、被害者自身は、動転し困惑している心理状況の下でようやく抗
原判決は、被害者の抗議が「それなりに大きな声」であったなどと極
また、被害者の抗議は、わずか2、3秒間と思われる極めて短いものでした。被害者の抗議は、「やめてください」、「はずかしくないん
そんな僅かな時間の抗議なのですから、うとうとしていた弁護側の目
さらに、弁護側の目撃証人が座っていた位置からは被害者の姿さえ視
弁護側の目撃証人は、証人Kが被告人に対して、覆い被さるような形に見えたと証言しています
また、もうひとりの逮捕者である証人Nの動きについても、弁護側の目撃証人の位置から見れば
このような証人Kや証人Nと被告人との位置関係や、被告人が動かなかったことを考慮すれば
次に、弁護側の目撃証人は、目撃したときは、被告人のそばに女性は
まず、この証人から、被告人の姿をよく見える状態だった理由は
また、被害者が立っていたドア側のエリアは、多少人と人とが触れ合
このように、弁護側の目撃証人が供述している内容は、他の供述者の供述内容や客
ドアが開いて電車に乗り込んでから発車するまで1分くらいだったと
弁護側の目撃証人が自発的に公判廷において証言するに至った経緯は
6.繊維鑑定結果からの合理的疑問
繊維鑑定の結果、被告人の手指には被害者のスカートやパンツの構成
痴漢事件では、被害者の着衣の構成繊維が、手指に付着していないか
ところが、本件では、この「手指鑑定」の他に、ネクタイから採取し
通常と異なり、本件で、4件もの繊維鑑定を行ったところに、被害者のスカートの構
被害者が穿いていたスカートの構成繊維が被告人の手指に付着してい
この「手指鑑定」の結果が判った頃に、ネクタイから付着物が採取さ
「手指鑑定」の結果、被告人の手指から、スカートの構成繊維と
それなのに、被告人の手指に付着したスカートの構成繊維がネクタイ
そして、「ネクタイ鑑定」の結果における、ネクタイの付着物から検
2件の「背広鑑定」の結果、被告人の手指とネクタイから採取した
そもそも、背広鑑定は背広にスカート構成繊維が付着したとの見込み
科学警察研究所の繊維鑑定の教科書によれば、繊維鑑定では
警視庁科学捜査研究所でも、この顕微分光光度計による鑑定ができな
なお、「手指鑑定」「ネクタイ鑑定」には、「被告人の手指やネクタ
この様に、被告人の手指やネクタイに、被害者が着用していたスカー
(1)被害者供述や証人T供述のように被告人が手指で被害者のスカートやパンツに触ったことが客観的証拠
(2)捜査官は、手指から出なかったら、ネクタイに転移したはずだ
また、痴漢事件での繊維鑑定は、痴漢で触ったら、被害者の着衣の構成繊維
したがって、被告人の手指やネクタイから被害者のスカートやパンツの構成繊維が
このように、本件は、被告人の無罪の客観的・科学的証拠がある冤罪事件である。
7.被告人供述の信用性
被告人は、本件電車に乗る直前に多量の飲酒をし、その結果、
被告人からは、午後10時52分頃に実施された飲酒検知において
そして、血中アルコール濃度が1mg/mlを越えると、歩行失調、協調運動障害が起こるとされています。
したがって、被告人は本件犯行があったとされる時刻に歩行失調
また、危険運転致死傷罪の適用された裁判例では、呼気検知結果が呼気1リットルあたり0.4mg程度あるいは0.45mg程度で「アルコールの影響により正常な運転が困難な状態
また、別の裁判では、検察官から、「血中濃度が1ミリリットルあたり0.9〜1.0ミリグラム程度に
これらに鑑みても、本件犯行があったとされる時刻に、被告人は「アルコールの影響によ
さらに、被告人がその当時約4キログラムのカバンを右肩のみにかけ
したがって、被告人が、吊革につかまることなく、上記犯行を行うことは不可能です。
次に、原判決は、被告人の供述は、被害者供述及び証人T供述などの信用できる各供述に反し、信用できないとしますが
原判決は、被告人の供述において、4つのポイントをあげ、不自然・信用できないとしていますので
原判決は、まず、被告人が上り電車と下り電車を間違えたこと
しかし、被告人の酔いの程度の推移はこれまで述べたとおりであり
原判決は、それらの事情を適切に評価しておらず、不当です。
原判決は、被告人が犯人扱いされた際に否定しようとせず
しかし、被告人は、有名人であり、騒ぎになることを避けるために
また、一般に、駅事務室に来た警察官が、駅事務室において人定以外しなか
なお、原判決は、被告人が被害者に対して、失礼というような感じで
しかし、その被告人の動作に関する、目撃者証人T、逮捕者証人K、被害者の供述は明確に、しかも大きく異なっています。
原判決は、これらの供述を都合良くきりはりして、あたかも相互に信
被告人の動作は、被害者の突然の動きに驚き、身をひきながらたじろ
動画でみてみるとこのような動きになります。
原判決は、被告人の記憶は、ある部分は曖昧、自己に都合がいい部分
しかし、被告人は上記の酔いの程度に応じて、あいまいなことと覚えているこ
したがって、「自己の都合に従って供述しているとうかがえる面があ
原判決は、証人Kの供述によっては、本件当時の被告人の位置についての被告人の供述
8.結論
最後に結論を述べます。
前節で述べたように、一貫性と詳細さを備え、十分に信用性のある被告人の供述は、同様に十分に信用性のある弁護側目撃証人の供述によって、裏付けられています。
弁護側目撃証人は、事件当日、被告人と同じ電車に乗り合わせ
また、証人Kの供述も、基本的に被告人供述と符合しているばかりでなく
それに加えて、スカート・パンツの構成繊維が被告人の手指やネクタイから1本も検出されていないことも、被告人が本件痴漢行為の犯人でないことを証明しているということができます。
他方で、被害者の犯人識別は、犯人が真後ろに密着していて
そして、証人Tの供述にも、幾多の根本的な疑問があり、証人Tの供述を根拠にして被告人を犯人と特定することもできないことが明
以上述べたところから、被告人は本件痴漢行為の犯人ではなく、無罪であることは明らかであり、原判決の認定には、判決に影響を及ぼすことが明らかな事実の誤認が
以上